音楽理論書を<初級><中級〜上級>レベルに分けて紹介しています。
先生と生徒の対話形式やQ&Aで音楽理論を学べる本です。音楽理論を身近なことに例えたり、雑学やギャグを交えた内容になっています。
譜面や用語だらけのお堅い理論書とは違って、文章がほとんどなので読み物として音楽理論を学ぶ形になります。そのためか、譜面を用いた説明が少なく、どうして使えるのかといった理屈や詳細が抜けていたりするので、他の理論書と合わせて読むことをお勧めします。
なるべく分かりやすく音楽理論のあらましを学べる本だと思うので、音楽理論入門者向けです。この本を読んで興味を持ったら、詳細を学んでみるのも良いと思います。
個人的に理解が進んだ項目をあげてみました。
トニック・ドミナント・サブドミナントといった主要3和音の代理和音についての理解が深まりました。
主要3和音以外のダイアトニック・コードが、なぜ代理和音として機能するのかを納得できたのは大きな収穫になりました。
また、<PART 10>のギターでのコード・ヴォイシングについての解説がとても参考になりました。コードを覚えるのに簡潔で良い方法だと思います。
☑︎ギターで演奏することで、理解が深まり実践で活かせる
教則本を通してギター・ダイアグラムが登場します。それによって、ギターを演奏して実践することで「音」を確認できるようになっています。理論や理屈を詰め込んで理解しようとするのではなく、実際に「音」を聴くことで理解が深まるようになっているので、より実践的で演奏に活かせる学習になりました。
スケールやコードといった基礎的な知識から、様々な機能のコードを実践的なコード進行で示されているのでとても参考になります。また、個人的にブルースの音楽理論的な考察が大変参考になりました。
本書の注意点として書いてあるのですが、基礎的な音楽理論(譜面の読み方、音程の度数の数え方、Keyについてなど)の説明は省かれています。ある程度の知識を持たないと読み進めるのが難しい内容だと思います。
☑︎音楽理論は音として身につける!
音楽理論を頭の中での知識として終わらせるのではなく、実際に音を体感して身につけることが重要だとおっしゃっています。
『プレイがもっと上達する ギタリストのための音楽理論』でも同じように言われていることから、重要な原則であるようです。”音として身につける”を指針に勉強し直そうと思います。
各テーマの理論に対する解説がなされた後に、実際のジャズ・スタンダードではどのように理論が使用されているのかを分析しながら学んでいく構造になっています。
☑︎実際のジャズ・スタンダードを分析!
ジャズ・スタンダードの分析を通して、コードの機能をどう解釈するのか、アベイラブル・スケール(コードに対して使用できるスケール)をどのように選択するのかがとても参考になります。
注意としては、基本的な音楽理論が理解できた上で読み進めないとつまずいてしまうかもしれません。以前、読み進めていた時は理解が追いつかずに辛かったのを覚えています。割とざっくりとした解説の箇所もあったので、他の理論書と合わせて学習するのが良いかもというのが感想です。